お茶をどうぞ

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「あのね、私さ……」 うわ、思った以上に緊張する。 「えっと、あのね」 「うん」 宙良が私を見つめてても、いつもなら話せるのに、好きと意識したらなかなか話せない。 私は、さっき色々話している間に飲んでしまった空のカップをギュッと握る。 「亜湖」 「えっ、あっ、なに?」 「今度は俺がお茶入れようか?美味しいアールグレイがあるんだよ」 「う、うん」 宙良は電気ケトルの電源を入れて再びお湯を沸かす。 そして、机の上に置いてあった缶を開けて、中の袋の口も開けた。 「袋を開けただけで、いい香りが広がるだろ?」 「うん」 アールグレイの独特の香りがフワッと私の鼻をくすぐる。 缶の中に入れてある、ティーバッグを1つ取り出して紅茶の葉を入れる。 そして、ケトルのお湯が沸くとティーバッグにお湯をかけて、ゆっくりと蒸らしてゆく。 宙良がお茶を淹れる姿。 ……この姿に恋をした。 何回見てもドキンとする。 宙良は絵になるよ、綺麗すぎる。 「ほら、飲んでみて、美味しいと思うから」 机にアールグレイが注がれたカップが置かれる。
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