それでもキミが

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「里利子ってさ、なんで俺に最初からあんなにアタックしてくれてたの?」 大学受験のあと、カフェで彼氏のマサとご飯を食べにきたら、急にそんなことを聞かれる。 「どうしたの?突然」 付き合いたてでもないのにこんなことを聞かれて首を傾げる。 「や、なんとなーくね。高校で会った瞬間からグイグイだったじゃん」 「そういえばそうだね」 初めて高校の先輩としてマサに出会ったのは部活紹介。 でも、その1週間前だったか。 マサは覚えてないと思うけど本屋さんでマサに会っているんだよ。 あたしが背が低くて手が届かない本を何も言わずにとってくれたんだ。 その時の笑顔が忘れられなくて…。 だから部活紹介に出てたマサを見たとき、運命だ!って思った。 その日からはじまったんだよね。 あたしの恋、そしてマサへのアプローチ。 『先輩!すきです!』 先輩から資料をもらうときにそう言うもんだから、一緒に来ていた友達に慌てて体育館に連れていかれたっけ。
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