第3話 ソラト、級を上げる

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 ソラトはドラゴンの指示どおり、級を上げるために依頼をハイスピードでこなしていった。 「ソラト。そろそろ級は上がったか」 「中級に上がったよ。もう少しで最年少記録だったって言われた」  ソラトは言われていたとおり、こまめに報告に来て顔を合わせていたので、足は震えなくなった。  だいぶ慣れてきたようだ。 「これからお金が貯まりやすくなるのだな」 「うん。でも、この先はちょっと依頼がきつくなるんだ。あまり自信ない」 「冒険者とは戦う仕事でもあるのだろう? その割にお前は強そうに見えない」  ドラゴンは、「私が鍛える。ついて来い」と言うと、ソラトを横穴に案内した。 「中、こんなに広くなってたんだ……。しかも真っ暗じゃなくて薄明るい」  穴の奥深くは、ドーム型の広い空間になっていた。 「我々の巣の一つになっていたところだ。上に小さな穴がいくつかあり、光も入ってくる」 「ねえ、あの……あ、そうだ」 「……?」 「君に名前はあるの?」 「あるが。人間には発音できない」 「何て呼べばいいの」 「お前が勝手に決めていい」 「じゃあ……そうだな、デュラって呼ぶけどいい? 今適当に考えた名前だけど」 「ああ、かまわない」 「デュラ、君はなんで一人でここにいたの?」 「遠くの山で、勇者と戦闘になり負傷したからだ」  かなりひどい負傷であり、同胞に抱えられてここまで運ばれた。  ドラゴンを含め、魔物は回復魔法が使えない。  この巣でゆっくり傷を癒せるよう、そして他のドラゴンが不在のときに人間に狙われないよう、横穴を隠され、長い眠りについていた。  その眠りが覚め、穴から出てきたら、そこにソラトがいた。  デュラはそのような説明をソラトにおこなった。 「では稽古を始めよう。本気でかかってきてもらってかまわない」
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