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「……あの、ハテルマさん。
『サイコ・パッシブ』ってなんですか?
僕のことを言っていたみたいですが……。」
ふと、カイトは話の中心にある言葉が何のことなのか気になり始めた。
「んー……どう説明したらいいかな。」
ハテルマは腕組みをしながらしばらく考え込んだあと
「そうだ!」
と声を上げてカイトに言った。
「例えば今日お前に絡んでたガタイのいい男。
あれ、お前どう見えてた?」
「どう……って?」
ふわっとしたハテルマの質問に言葉に詰まるカイト。
「例えば……ホラ、あるじゃんよ。禍々しいオーラをまとっていたとか……」
「僕、そんな不思議な能力はないんで……。」
「……どういう事かしら?ソウ。」
カイトの言葉を聞き、再び鉄のような雰囲気をまとう秘書に、この場の空気が凍りつく。
「いや、何でもいいからさ、なんか特徴を言って見ろよ、カイト。」
ハテルマはユミの方をちらちらと見て、
おびえた目をしながらカイトに問い直す。
「んー……特徴かぁ。まとっていたと言えば、あの人、左手には炎をまとっていましたよね?」
「……炎をまとう……!?」
カイトの言葉にはっとするユミ。対象的に恐怖から一転して喜ぶハテルマ。
「そうそう、そういうのだよ、カイト。
……って、お前の中じゃ炎をまとうヤツは普通なのか?」
「……え……。違うんですか?」
「だって、炎なんてまとったらヤケドするだろ?」
今まで自分が普通だと思っていた事を否定され、戸惑うカイト。
ーー何故気づかなかったんだろう。確かにそうだ。
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