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「まあ、でも安心しろ。
それがオマエの能力ってだけだ、カイト。
個性と言ってもいい。」
「僕の……能力……?」
「つまりだ。」
理解の追い付かないカイトに、ハテルマは事を要約する。
「サイコ・パッシブってのは文字通り、他人の精神から
必要以上に影響を受けてしまう《パッシブ》
体質のヤツの事を指すんだ。」
「そして、このハテルマメンタル研究所は主にそのサイコ・パッシブに関する研究をする施設なのよ。」
カイトの背後からユミが付け加えた。
「僕がそのサイコ・パッシブ……。」
カイトは視線を床へ落とし、再び考え込む。
「もっとも、俺なんかは炎とかは見えないで、
色で見分けてるんだけどな。」
「私は音になって聞こえるわ。」
ハテルマとユミの言葉に、
カイトは二人もサイコ・パッシブであることを悟った。
「……あとは『悪意ほど影響されやすい』って事に気をつけておけば、それなりに普通に暮らせるさ。」
ハテルマはどうって事ない、といった視線をカイトへ送った。
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