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「リカ、おまえホント馬鹿にしてんのか!」
エサ男が罵声を浴びせた。
ほんとウザい。自分を何様だと思っているの。
「おまえにいくら注ぎ込んだと思ってるんだよ?」
声を尖らせるエサ男に、わたしは心のなかでウンザリと溜め息をついた。
こいつ「おめでとう」と祝福の言葉も言えないの?
「わたしは愛を知って、初めて人を好きになりました。わたし、結婚します」
わたしは嘘と不義理で固めた台本を読むように、なるたけ天真爛漫な声で言った。
「ちょっと待てよ。これって会社で言えば計画倒産じゃねえか」
「ありがとうございます。わたしの幸せをお祝いしてくれるよね?」
吐き気をもよおす男ね。あんたは単なるATMよ。
わたしの利益だけのために利用したんだから、むしろ感謝されてもいいくらいだわ。
そう、すべてはわたしのため。
わたしが幸せをつかむため、せっせとエサを運ぶように金を貢がせるのがこいつら男の役目よ。
「おまえがキャバクラで連続1位になるのに、おれがどれだけ金を溶かしたと思ってるんだよ?」
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