第1章

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1歳から2歳の時。続けてアトピー性皮膚炎と喘息を発症した。 汗をかけばとても痒くなる。服も生地を選ばないととても着ていられない。肌のあちこちには常に凹凸やかさぶたがある。触るとウツるぞとからかわれた。肌を晒すことに抵抗を感じるようになった。自分でも醜い肌だと思う。 皆と一緒に走り回れない。雪遊びも出来ない。アイスを食べるだけで呼吸が苦しくなる。口で呼吸をする癖がついた。徒歩30分の通学さえも出来なくなった。速効性の治療用機械を持ち歩くようになった。機械を爆弾だと、常備薬を麻薬だとからかわれた。皆と同じように過ごす事が難しいと悟った。 けれど、特別不幸だと思った事は無かった。 ある日父に言われた言葉。 「お前見とると自分の嫌な所が見える。出来るだけ向き合いたくない。」 とても衝撃的だった。 私の父も喘息を患っていて、その遺伝で私のアレルギー体質が顕著だと言うことは聞いていた。その事を示す言葉だと言うことは話の流れで分かった。けど、 だけど、そんなこと言って欲しくなかった。 父が喘息を患っていたとしても、必ず子供も同じ病気になるとは限らない。現に弟や妹は喘息もアトピーも患っていない。たまたま私がそうなってしまっただけで、父が悪いなんて一回も思った事は無い。 なのに何故そんな、『お前を産まなければよかった』というような事を言うの? どんなからかいの言葉より、その言葉が1番苦しいよ。 私を産んだ事は間違いだったの?いない方がいいの?
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