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なるほど、凛の言ってたファンクラブの話は、本当かもしれないな。
俺「そうか、なら、余計に凛を渡すつもりはない。
凛は俺が守る、他の誰にも渡さない。
アンタらとは凛と知り合った期間は短いけど、俺は凛の全てを愛してる。
病気の事も含めて、だ。
誰に何を言われようが、渡すつもりはない」
次の瞬間、腹部に強烈な衝撃が走った。
一瞬息が出来なくなる。
男「ウザーんだよ、聞いてもない事をうだうだと。
だいたい、お前みたいな奴が凛さんと釣り合う訳ねぇだろう。
さっさと消えろ」
そう言って男は背を向けて帰ろうとする。
俺「待てよ…逃げんのか」
男「あ?まだ殴られたいのか??お前」
俺「それはごめんだね、もちろん、お前を殴るのもごめんだ。
凛はそんな事、望んでないからな」
今度は腹部に蹴りを入れられた。
本気で殺してやろうかと思うくらいの殺意が芽生えるが、あえて手を出さないでおいた。
手を出したら、凛が悲しむから。
男「本気でウザいなお前!一体何がしたいんだよ!」
正直、声を出すのも痛いくらいだが、これだけは言わなければ。
俺「気が済んだかよ…」
男「あ!?」
俺「気が済んだかって聞いてんだよ…凛を取られた痛みとか、苦しみとか、これで少しは晴れたかって聞いてんだよ…」
男「はぁ?お前何言ってんだよ?」
蹴られたところがバカみたいに痛い。
息をするたびに痛む。
男「俺はな、お前みたいに半端な覚悟で、凛と付き合ってるんじゃねーんだよ。
いずれはこうなる事はなんとなく分かってた。
お前らからしたら、俺は凛を奪った悪者だからな」
すると、遠くの方で誰かが走ってくる音が聞こえた。
警察だったらめんどくさいな。
「シュウ!どうしたの?大丈夫?
ああ、凛の声か。
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