第1章 出会い

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第1章 出会い

「今日は誰が来るかなぁ」 誰もいない部屋で独り言を呟き、携帯を開く。 ここは、俺が存在していい場所であり、居場所だ。 「おう、シュウ。学校は終わったのか?」 「はい、学校終わってすぐにここに来ました(笑)」 こんな何気ないやり取りが出来るこのサイトは、俺にとっての居場所だ。 現実世界では誰も俺の事を必要としていない。 むしろ、俺の事を妬ましく思っている人間の方が多い。 学校ではイジメられ、家庭では虐待されている俺にとって、ここは俺が唯一存在していい場所。 そんなくだらないやり取りをしていると、ふと新しい人の書き込みが。 「初めまして、私も参加してもいいですか?」 「もちろん!名前、聞いてもいいかな?」 「凛です」 これが、俺と凛の、初めての出会いだった。
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