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見下され
吐き捨てられれば
それだけで息切れしそうになる。
「お願い。もっと罵って……お兄様」
僕は小刻みに震えて嘆願する。
「それでもっと僕を……虐めて下さい……」
両手を握りしめ
いやらしく身悶えしながら――。
「もともとおまえから奪う物などないんだ」
征司はわざと僕を優しく抱き寄せた。
壊れ物に触れるように頬を撫で
「みんな俺の物だろ?ん?」
たぶらかすように笑って。
「返事は?」
「……はい」
「なら証拠を見せろ」
「どうすれば……?」
そうしておいて
「そうだな。四つん這いになって俺の足を舐めろ」
突き落とす――。
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