§嘆きの渓谷§

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(その日はどしゃ降りの雨の日だった… 雷鳴が轟く中、人間たちが住む離れた田舎町から 産まれたばかりの赤ん坊、リシャールを 抱えた女性と傘をさす男性がこの渓谷にやって来た 産まれたばかりのリシャールはお腹を 空かせてるのか大声で泣いていた…) 「リシャール、ごめんね… 私達…貴方を立派に育てられる ぐらいの資金がないの…」 (女性はリシャールの母親… 男性はリシャールの父親だ) 「おい、急げ…! ここは嘆きの渓谷なんだぞ! 魔物の巣窟なんだ… リシャールがここで 誰かに拾われる確率は低い… ましてや、こんな雨の日に…」 (男性は…リシャールの父親は とにかくここを去りたい気持ちで焦っていた) 「わ、わかってるわよ…! 私達はこの子を…魔物の巣窟に 置いていこうとしているんだわ…」 (母親はなかなかリシャールを離そうとしなかった) 「はやくしろってば!」 (男性はリシャールを…赤ん坊のリシャールを 女性の…母親の腕から引き離そうとした) 「やめて…!わ、わかったから…」 (女性は男性に急かされながら リシャールを渓谷の岩壁の下に置いた その様子を見つめる謎の青年が一人…) image=506182807.jpg
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