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「そうさ。門は開かれた。新たな世界への門がね。その少女の体こそが、マリ子の門だよ」
「どうしてだ? 夢の世界では会えるんだろう? なんで、此処までーー」
「所詮、バーチャルリアリティだ。実感が欲しいのだよ」
「なんだよ。そりゃ!」
シモキンが岸田と相澤に向かい言う。
「私は、ただタケヒナテル1のVR世界で、女王になるだけではないわ。タケヒナテル1を通して、世界の子供達と繋がれる。新たなVR世界にも、ゲーム世界同様の残酷性を疑似的に楽しむ為の娯楽が、溢れる事になるでしょう。そこで、世界の子供の内にある残酷性を育て吸収して、私はもっともっと強くなるわ」
「なんだとっ!? そんな事はーー」
と、岸田は言い掛けて止まる。
ーーーーーーーーんっ!?
岸田と相澤は、急に辺りが暗くなった事に気付き、背後を振り返る。
「なっ!? ……なんなんだアレ?」
相澤は面喰らい言う。
屋敷の陰から、巨大な化け物がぬうっと出て来る。
それは、岸田には見慣れた存在。
ーー少年Xだ。
コイツに研究員や双神と呼ばれた男は、弄ばれ殺されたのだろう。
あの時、シモキンの世界で起きた事と重なる。
この屋敷の前で、皆んなして最初の少年Xと戦った。コイツはまた新しい少年Xなんだろう。頭に巨大な麻袋を被っている。
「今度はなんだっ!?」
岸田は啖呵を切るように言う。
飛三とシモキンはニヤニヤと笑っている。
少年Xはゆっくり頭の麻袋を脱ぐ。そこには蜘蛛の目のように、沢山の目が並んでいるように見えたが。
違うーー!!?
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