マリ子ちゃんゲーム終了

35/37
246人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
「そうさ。門は開かれた。新たな世界への門がね。その少女の体こそが、マリ子の門だよ」 「どうしてだ? 夢の世界では会えるんだろう? なんで、此処までーー」 「所詮、バーチャルリアリティだ。実感が欲しいのだよ」 「なんだよ。そりゃ!」 シモキンが岸田と相澤に向かい言う。 「私は、ただタケヒナテル1のVR世界で、女王になるだけではないわ。タケヒナテル1を通して、世界の子供達と繋がれる。新たなVR世界にも、ゲーム世界同様の残酷性を疑似的に楽しむ為の娯楽が、溢れる事になるでしょう。そこで、世界の子供の内にある残酷性を育て吸収して、私はもっともっと強くなるわ」 「なんだとっ!? そんな事はーー」 と、岸田は言い掛けて止まる。 ーーーーーーーーんっ!? 岸田と相澤は、急に辺りが暗くなった事に気付き、背後を振り返る。 「なっ!? ……なんなんだアレ?」 相澤は面喰らい言う。 屋敷の陰から、巨大な化け物がぬうっと出て来る。 それは、岸田には見慣れた存在。 ーー少年Xだ。 コイツに研究員や双神と呼ばれた男は、弄ばれ殺されたのだろう。 あの時、シモキンの世界で起きた事と重なる。 この屋敷の前で、皆んなして最初の少年Xと戦った。コイツはまた新しい少年Xなんだろう。頭に巨大な麻袋を被っている。 「今度はなんだっ!?」 岸田は啖呵を切るように言う。 飛三とシモキンはニヤニヤと笑っている。 少年Xはゆっくり頭の麻袋を脱ぐ。そこには蜘蛛の目のように、沢山の目が並んでいるように見えたが。 違うーー!!?
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!