上司の秘密

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「専務なら、誰でもオッケーしますよ。  浮気なら、他所でお願いしますっ」 「お前がいいんだ」 と言う遥人の言葉に、思わず、どきりとしてしまったが、 「だって、口が固いんだろ?」 と言ってくる。  そこかっ。 「いや、そんな理由なら、帰らせてください」 「じゃあ、どんな理由なら、俺と付き合ってくれるんだ」 「どんなもこんなもないですよ」 と言ったが、ちょっと考え、 「じゃあ、 『俺にはお前だけだ。結婚してくれ』 とか言ってみてください」 と笑って言うと、 「いや、結婚はできない」 と言ってくるので、 「わかってますよ、もう~っ。  言ってみてくださいって言っただけじゃないですかっ」 と言うと、遥人は少し考えていたが、いきなり那智の手をつかみ、自分の側に座らせた。
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