遥人の結婚式 ―千夜一夜の物語―

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「最初の日、貴方の部屋で言ってくれたじゃないですか」 と言うと、遥人はすぐにわかったらしく、赤くなって咳払いをする。  そのままなにも言わないので、 「あっ、あのときはあっさり言ったのにっ」 と言うと、 「あれはなんとも思ってなかったからだっ」 と言ってくる。 「今回、私、結構貴方に振り回されましたよね。  このあと、どうやって生きていこう。  貴方みたいに恨みをぶつける相手も居ないし。  誰と縁側で老後、お茶を飲んだらいいんだ、とかろいろ悩んだんですよ」 と言って、 「長生きする気満々じゃないか」 と呆れられた。
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