夕日と共に、生命は満ちる。

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 太陽が大地から昇るころ、砂浜は光を受けて輝き、熱を帯びだす。  へこんだり、ところどころ盛り上がったりと自由な形をして過ごす砂粒は、一粒、一粒、光り輝き、うねるような熱を産み、空へと届ける。  潮は小さくも、大きくも行ったり来たりと砂浜と戯れている。そのうちに、砂浜にはグラデーションが生まれていた。  海より淡く、透き通るような青空。その青空には雲が自由にゆったりと滑っていく。  海鳥は、今は眠っているのだろうか。風が穏やかに吹き、さざ波の音だけが響いている。  青空を全て包むように反射していた海が、次第に紅色をも映し出す。  夕日へと、太陽は大地へと還っていく。  空に浮かぶ雲は、太陽が還っていくのを見守りつつ、海や太陽の光を受け、七色に反射させた。  空が、海と一体となるように、深海の色へと変化する。  空には星の光が一つずつ輝きはじめ、ちりばめらると、海へも光がちりばめられる。  たくさんの星が集まり海を照らし、三日月も太陽の光を受け継ぐように大地へと温かく光を灯す。  空に広大にもちりばめられた星の下。海に変化が訪れる。  海の暗く深い場所から、空気を風船のようにして含んだ泡が海上へと向かってぽこぽこと顔を出しはじめた。
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