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素直な君に恋をして
いつもの本屋にいつものあの子。
「いらっしゃいませ」
満面の笑みで出迎えてくれる彼女に、いつしか僕は恋心を抱いていた。
明るい茶色の髪。大きな瞳。丸い顔に、少し大きめの口。笑うと、笑顔の花が咲くって表現がぴったりくる。そんな華やかな彼女。言葉遣いも丁寧だし、仕草も控えめだし、とにかく可愛くて素敵。理想の彼女って感じだ。
「今日は、どうされました?」
いつの間にやら、すっかり仲良くなった。
最初は酷い物だった。
確か、読みたかった本が無くて、問い合わせをしたんだったかな。
どもる僕の言葉を、メモまで取って熱心に聞いてくれた。その後も一生懸命探してくれて、見つけてくれた時の笑顔に僕は心を奪われたんだ。
こんな僕にも親し気に接してくれて、だんだん仲良くなったんだった。
いろいろ話しをしたよね。
ガチャガチャの猫の奴が好きって言ったから、プレゼントしたら驚いていたけど喜んでくれた。
その笑顔もまた、たまらなく好きだった。
お礼がしたいって言ったけど、僕は笑顔を見られるだけで十分だったんだ。
そう言ったら、君はちょっと困った顔した。
でも、その後でやっぱり笑って言ってくれたよね。
「優しいんですね」
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