170626「冷えた色の目に宿る炎」

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

170626「冷えた色の目に宿る炎」

「冷えた色の目に宿る炎が眩しいね」  息が白くなる頃、毎年と同じセリフを呟いた。暖炉の前に腰掛けるのを膝の上に抱え、僕も暖を取る。薪の爆ぜるのを聞くのは退屈で、怒られるのを承知で髪を撫でた。当然、数本がスルリと抜ける。母より年上のビー玉の目の人形にまた一つ傷が付いた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!