プロローグ

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プロローグ

私は水が好きだ。 正しくは、海の青が好きだ。 途絶えることのない波が、ざんっと水音を立て崩れていく。 その繰り返される自己主張を、私はあきることなく、何時間でも何日でも見ていられる。 だからかもしれない。 私は拾ってしまった。 夜の海。 真っ黒な水からぼたぼたと水滴をたらしながら、 ゆっくりと陸に上がる男を。
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