夏の夜の雨のした。

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恋人つなぎって、ささやかな束縛なような気もするし、甘い約束のような気もする。 簡単にはほどかないからね、ってお互いをひとりじめするみたい。 「美緒の手って、冷たくてちっちゃい」 「翔ちゃんの手はおっきくていつもあったかいね」 大好きな人のそばにいられることが、こんなにもいとおしい。 「あのさ」 「ん?」 「誕生日おめでとう」 「……ありがとう」 「これからもずっと一緒にいような」 「うん。ずっと一緒だよ」 ここは私だけの特等席だって、これからもずっと自惚れさせてね。
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