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大学生の夏休みは無駄に長い。 この期間を使って沢山バイトして金を貯めたいと言い出したマナに、特に反対する理由もなく。 俺は俺で本間の家庭教師をマイペースに続けながら、増えすぎていよいよ置き場のなくなった本をどうしようか悩んでいた。 昼間、オシャレなカフェでのバイトを終えたマナが珍しくテンション高めで帰ってきた。 「なんかいい事でもあった?」 「いい事っていうか、夏休みだからコータが帰省するって」 「へ?」 高校生の時、マナは西野航汰が好きだった。西野は本間と付き合っていて、完全な片思い。 俺はそんなマナの泣き顔に落とされた。 西野は見た目は女っぽいけど、性格は男らしくて俺も友人として好きだ。 マナや本間が西野に惚れる気持ちもわかる。 マナの中にはずっと西野への気持ちは消えないんだと思っていた。 それでも俺はマナが好きで、やっと気持ちが通じあえたところだ。
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