第1章 異世界へ

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「のわぁぁぁーー! トラック! 信号は……赤だ! 鬱になりすぎて気付かなかった!」 ヤバイ、これマジで死ぬ。 鳥のフンじゃなくて、今日はトラックですか? 1年から2年に進級しただけでずいぶんレベルアップしたじゃないですか。 ってか、レベルアップしたのそこ!? しかも、とっさに出た悲鳴が 「のわぁぁぁー!」って…… うわぁ、我ながらかわいくないわぁ…… プアァァァァー! 走馬灯のようにマイナス思考がめぐる中、トラックは容赦なく突っ込んでくる。 「ぎゃあぁぁー!! 死にたくない、助けて神様ー!!」 涙とよだれと鼻水を撒き散らしながら、とても女子高生とは思えない悲鳴をあげるが、トラックはジミコの目の前まで迫っていた。 「あひぃぃー、しむ、ち……死ん……」 その時―― ジミコの体が目映い光に包まれる。そして一瞬にしてその光は跡形もなく消え去った。 その光の中心にいたはずの、ジミコの姿もろとも。
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