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 体操着に着替えてグラウンドに出る。日差しが強く、みんな日焼け止めを重ね塗りしながらイヤイヤ言いながら整列していた。私も同じように、千佳子とダルいねと言いながら列の後ろに並んでいた。  体育というのもだるいけれど、今日はジョギングというさらにかったるい種目だ……私は事情があるのでみんなほど疲れることはないが、それでも『世間体』というものがあるので無理をしない程度には、それなりに頑張らなければならない。  グラウンドにひかれた楕円の白線の周りを、うだうだ言いながらみんな小走りで進んでいく。私もそれに追いつくように、早歩きよりも少し早めの速度で駆け出していた。  今日は、本当に調子がいい。目覚めもすっきりだし、目玉焼きもきれいな半熟に焼くことができた。陽介は寝坊したけれど、学校には遅刻せずに着いたし……今日はラッキーな日なんだ。  結局、これは自分にそう言い聞かしていただけだったのだ。  ズキっと心臓が軋み始める。呼吸はどんどん細くなり、頭にまで酸素が回らなくなってきた。心臓は酸素を全身に送るために盛んに動こうとしたけれど、いつもの穏やかなリズムではなく、焦りで空回りを始めた歯車のようだ。     
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