Prologue Side C

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Prologue Side C

 ある日の昼下がり。いつものように屋根伝いに散歩をしていると、大きな石造りの建物の前に人混みが出来ていた。 (今日は何かあるのか?)  建物は道を挟んだ反対側だ。少し気になって屋根を降りて近づいてみる。建物のすぐそばにいくつか布が立てかけられている。風にはためいているそれには、何か模様が書いてあったが、その模様の意味は理解できなかった。ただ、風に乗って塩の匂いやら、肉の匂いやら、花の匂いやら、甘い匂いやらが漂ってくる。 (アイツらはあれに群がっているのか)  人の作る物は旨い物でいっぱいだ。そんな奴らがあれほどの数集まっているとなると、よっぽど旨いものがあるに違いない。実際に食べたわけでもないのに出てしまった唾で唇を拭く。 (いざ突撃)  警戒心も程々に、私は人々の足元をすり抜け、石造りの大きな建物への単身乗り込んだ。  目指すは旨い物だ。
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