日置くんはイケている1

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バイト終わりに日置のアパートに。 こんな流れがだんだん当たり前になりつつある。 すっかり定位置となったローソファーの右端に座ると、催促したわけでもないのに日置がビールやスナック菓子なんかを用意してくれる。 オレはビールもつまみも気分で変えたい方だけど、日置はこれと決めたらずーっと同じらしく、スナック菓子も基本の三種類がずーっとローテ。 そこに貰い物のお菓子とか、オレが買ってきたつまみが加わる感じだ。 日置の中でオレのフェイバリットスナックはポテチのうすしおらしい。 本当はポテチなら何味でも好きなんだけどな。 ポテチをつまんで指舐めながら日置をチラッと見た。 最近気づいたんだけど指を舐めると日置はちょっと嬉しそうな顔をする。今日もやっぱり嬉しそうだ。 グラビアみたいな、指舐めウッフン萌キュンなイメージを膨らませてるんだろう。 でも、目の前に居るのはオレだぞ? 爺さんの真似してお年玉でもらった三千円を指を舐め舐め数える小学生の方がイメージが近いんじゃないかと思う。 「あれ……?この時計遅れてない?」 「あ、電池替えないとね」 おしゃれな壁掛け時計を日置が片手でさっと外して電池を取りに行った。 やっぱ、こいつマメだなぁ。     
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