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「あっ、私、ほら、そこのソファで寝ます!」
白いナイトウェアを羽織った響さん……何て色っぽいお姿……に、いきなり言葉を突き付ける。
「あっ、そう。シャワー浴びといで」
呆気なく受理されホッとしたのも束の間。
サッパリ、スッキリ出てくると、待ち構えていたように抱き上げられ……ちなみに、巷で言う『お姫様抱っこ』ではない。米俵を抱えるように肩に担がれた。
「ーーなんて、聞くと思ったら大間違いだよ」
ベッドの中央にドサッと落とされ、先の案は却下。
「明日……いや、もう今日か、に備えてタップリ休息を取らなければいけないのに、ソファ? 何を言っているのかな」
ジリジリと迫り来る超絶イケメン。
「ちょっ、ちょっと、おっ、落ち着きましょう、響さん」
「落ち着くのは君の方だよ」
照明は部屋の左右に置かれたフロアスタンドのみ。
そのオレンジ色の明かりが響さんの顔に深い陰影を作る。
そのあまりに妖美な姿に思わず見惚れ、場違いにも眼福眼福とシミジミ思っていると……。
「その顔は、今、しちゃいけない顔だよ」
奈落の底に落ちたみたいな深い溜息を付き、響さんがパタンと私の髪に顔を埋めた。
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