第1章

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聞いている生徒たちも、なんだか近寄り難い異様な雰囲気にその場を避けて通る。 「かもめ、俺は生まれ変わっても君を探すよ! だから異世界でも待っててくれ!」 悲痛な叫びを放つ、鹿取君…もとい部長。 転生のため自ら生命を絶った鹿取君が倒れる音とともに、悲しいメロディーが背景に流れ…次に目覚めた時は異世界だった。 やがて異世界での修行。 修行は18年分が5分で免許皆伝し…待ってましたとばかりに鹿取君は転生したかもめを探しに行く。 そこだけのシーンで15分。 なんか時間配分が変だ。 いくら恋愛が大抵の人間に好まれるからって、酷すぎる。 やがて、鹿取君はかもめの生まれ変わりを見つけた。 街中で冒険者を始めたらしい。 冒険者ギルドに10日ほど居座って、かもめの生まれ変わりを待つ。 本人だと分かったのは、冒険者名簿にかもめと同じ名前が記載されていたからだ。 かもめはどう考えても日本人の名前だろう。 「鹿取君?」 「うわーん、怖いよぉぉぉぉっ!」 だがその声を聞いた文化祭に顔を出していた客の子供は、あまりにも共感出来ないオチに泣き出した。 中の人は部員の一人だったのだが、かもめはオッサン声の若者に転生したのだった。 おまけに、鹿取君は以前のように付き合いをオーケーし…二人は異世界で培った技術で元の世界へ移動した。 そして、魔神を倒して二人は結ばれたのだという。 こんな破綻しきった物語を流しまくってめでたしめでたし…だなんてなるわけがない。 後日、部長は子供の親からの苦情で教師から生徒指導室に呼び出された。 以降、このやりたい放題のアニ研が無事残ったかは皆さんの想像にお任せしよう。
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