23人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
私は三年生で彼は一つ年下。
なのに、まるで憧れの先輩に対する様なこの私の態度。
先輩としての威厳も何もあったもんじゃない。
そんな自分を恥じながらドアノブに手を掛けようとした時、ドアノブがガチャリの音を立てて回り、私の手から遠ざかっていく。
不意に開かれたそのドアから飛び込んで来た影に驚いて、思わず「キャッ!」と声を上げる。
「おっと!……何だ、吾妻先輩かよ。悪ぃな、驚かせちまった。って、そんな事より計都!大変だぜ!今職員室が大騒ぎになってやがる!」
私にぶつかりそうになりながらも素早く身を翻しつつ避け、愛想無く謝ってきた彼は【藤崎 蓮司】。
計都君の地毛と違って、明らかに染め上げたオレンジ色の長髪。
モデルと見間違う様な高身長に、計都君並みの身体能力。
鋭い目つきの少し不良っぽい彼は、まったくそうは見えないけれど……この高校の生徒会副会長。
この生徒会の男子は計都君とこの藤崎君の二人だけ。
後は私みたいに地味な女子が在籍している構成だ。
因みに計都君は投票で当選したけど、それ以外は計都君に指名された。
……今でも何で私が指名されたのか……全くもって謎だ。
最初のコメントを投稿しよう!