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「裏柳とは何も思っていないからこそ、
口付けが出来た。
もう、ああいう交わいは、
お前以外とするものではないと分かる」
「…ほぉ、そんなに裏柳を守りたいか」
伝わらない思いがもどかしい。
「違う…。
俺が守りたいのは、お前だ」
月白の手は、
意地悪く太腿を撫で回すだけで、
待ちかねるそこには触れてくれない。
もぞ、と腰が揺れてしまう。
「煽るのも、強請るのも、
そうやって騙すのも、
お前が得意なのはもう分かった。
もっと私を楽しませるものはないのか」
自分が月白を楽しませてやれること。
自分の役割は女の代わり。
こんな時、
女ならどう楽しませるのか。
「お、お前の迸りを呑む」
月白はふんと、
さして興味もなさそうに抑え込んだ呂色から手を離した。
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