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こうして最終決戦進出の3組が決まった。
まずは『R-1ぐらんぷり』覇者の中落ち名月 粗大。昨年は『M-1』も獲っている賞レースの申し子、『笑王戦』も制し三冠達成なるかー。
続いて今年の『M-1グランプリ』王者・ミルクキッド。"リターン漫才"の面白さを見せつけ今最も勢いのあるコンビが、真のお笑い日本一を目指す。
そして『女芸人No.1決定戦 THE W 』女王・3時のプリンセス。二人で臨んだファーストラウンドを何とか乗り切り、最終決戦の舞台へ。果たして、ネタはあるのかー。
ステージには、すでに3組が揃っている。皆、緊張感溢れる表情ー。
「さあ松友さん。最終決戦のネタをやる順番ですが、台本には『大会名誉会長である島尾修助さんに決めて頂く』となっていますが、どうするの?ホンマにこのシャクレに決めさすの?」
浜野が問う。
「シャクレ言うな!兄やんやぞ?大先輩やぞ?」
松友が笑い転げながら反論。
「知るかボケ!あんなしょうもないネタやりやがって……。おいシャクレ!早よ決めろ」
どうやら半分くらいは、本気で怒っているようである。
「浜野ー」
シャクレが呼びかける。
「あ?!」
「素敵やん」
ニンマリとして言った。
「ええから早よ決めろやボケ!」
勝負においてネタをやる順番は、かなり重要である。できれば1番目、初っパナは避けたい。
ましてや二人で臨む3時のプリンセス、最終決戦でやる予定だったネタを、さっきやってしまっている。
考える時間がほしい。願わくば最後、3番目ー。
麻実は祈るような思いでシャクレ、いや修助を見つめる。
お願い、修助さん……。
「うーん、そやな…」
審査員席、書類に目を落としながら、修助は口を開いた。
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