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心ノボル 幕間その1
『かなちゃん! あのおまじない凄いね!! (`・ω・´)』
学校から帰って自室に走りこむと、私はメッセージアプリからメッセージを友人に送った。この気持ちを、誰かに知ってほしかった。今の私は世界で一番幸せな気がする。今なら、世界平和だって実現出来る気がする。着替えもそこそこにベッドにダイブし、つい先ほどの事を思い出して悶えながら転がる。そうこうしている間に、返信を告げるメロディが流れる。
『なんかあったの?』
反応が薄い。どうやら、先ほどの説明では伝わらなかったようだ。
『おととい教えてくれたおまじないだよぅ! プンスカ (`н´) プンスカ!
昨日やったばっかりなのに、もう効果が出たの! ヾ(゚∇゚)ノ』
これで伝わるだろう。すぐに「既読」の文字が表示されるが、返答はない。メッセージを待つ間、スマートフォンを操り、画像ファイルを開く。別フォルダに分けたお目当ての画像はすぐに見つかった。叶わぬ願いだと思っていたが、こんなにもあっさり叶うなんて。
「むふふ……」
変な笑い声が上がってしまうが、止められない。階下から親が私を呼ぶ声がする。もう夕飯のようだ。
『そう。良かったね』
友人の存外素っ気ない返答に頬を膨らませながら、私はそそくさと着替えるのであった。
『でもね』
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