成瀬と橘の場合

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成瀬と橘の場合

部活帰り。 今日は杏子と下校時間が同じになったから一緒に帰っている。 「悠里、どこか寄ってく?」 「うーん、あ、そういえば今日七夕だよね。」 「そうだったわね。」 2人で空を見上げる。 まだ梅雨が明けていないから、最近太陽が見えていなかったが、今日は夕日がきれいに見えている。 「織姫と彦星会えそうだね。」 「そうね。星も綺麗に見えそうね。」 「ねぇ、杏子は願い事書くならなんて書く?」 杏子は立ち止まり、肩をわなわな震わせた。 「悠里、七夕ってそもそも願い事して叶うみたいなものじゃないのよ!!現代の人はすごーく勘違いしてるけど、元々季節の変わり目をお祝いするお祭りで、笹の葉に歌や文字を短冊に書いて、字がうまくなるようにお願いするものだったのよ!」 「きょ、杏子落ち着いて!!」 通行人が何事?というように見てくるので とりあえず、杏子を落ち着かせた。 「今日青山くんが言ってたんだけど、陽向公園で七夕の短冊書くイベントやってるんだって!行ってみない?」 先ほどまで七夕に願い事を書くなんて!って言ってた杏子を誘いづらかったけど、思い切って誘ってみた。 「・・・行く。」 ちょっと恥ずかしそうにうつむきながら、杏子はうなずいた。 ほんとは杏子も書きたかったんだな(笑)
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