第1章

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私や同僚の先生方は最初に各グループの展示物を眺め、作成した生徒達に色々質問したり突っ込みを入れたりした。 壇上では音楽好きの生徒達が、思い思いの楽器を手にして演奏を始めている。 展示物を一通り眺めた私達教師は、反対側に並ぶ屋台の方へ向かう。 屋台は全て食べ物の屋台。 たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、クレープ、焼き鳥、焼き肉、ジャガバタ、肉じゃが、野菜がゴロゴロ入ったカレー、リンゴ飴、かき氷、焼きトウモロコシ、オニギリ、シーフードカレー、たい焼き、大判焼き、サンドイッチ、おでん、餃子、ラーメン、チャーハン、唐揚げ、などなど、食べ物の名称が書かれたポスターが貼られた屋台が並ぶ。 それぞれの屋台に並ぶ生徒達に私達教師は、生徒達が食べたがっている食品やそれに近い食品が入っているレーションの箱を、1つずつ手渡していく。 講堂内の生徒と教師全員にレーションが行き渡ったのを確認して、私は生徒達に声をかけた。 「蓋を開けたら皆目を瞑れ。 君達が手にしているレーションは食べたい物とは違うだろう…………だから、食べたいと思っている食べ物を頭に描き、味を思い出しながら食べるのだ。 それじゃ、いただきます!」 私の「いただきます!」の声に合わせて、講堂のあちらこちらから「いただきます!」の声が上がる。
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