あるゲームのエンディング

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そんな風変わりな旅の助っ人が、よもやこの地の、魔王城の最終フロアにいるなんて想像もしなかった。 「おまえら、怪我は?」  あろうことかこちらのHPの心配までし始める顔見知りの男に、膝が震えかけた。 「え? えっと、ねえけど……てか、なんであんたここにいんの?」 「レツ、油断、しないで」 「油断も何も、魔王いねえじゃん。ここまできて留守かよ」 「いるぜ?」  首を傾げるレツに、目の前の男が満面の笑みを浮かべた。 「よくある話だろ。旅の途中、何度も助けてくれた正体不明の兄ちゃんが、諸悪の根源だった――とか」
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