ⅩⅡ

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司も相手もガンガン打って、前に出てボレーをして。 五分五分の戦いだった。 オレは自分のアップもしながら、司の試合を観戦する。 観客席には、司のご両親も、オレの両親も居た。 頑張れ…司…。 セットカウント1-0。3-2司がリードしていて、迎えた司のサービスゲーム。 ここで、まさかの展開が、起こってしまった。 だが、オレは走りに行っていてその瞬間を見ることはなかったのだが、会場がなんだかざわめいていると感じ帰って来たとき、司が肘を抑えていた。 その肘は遠くから見ても分かるくらい赤く腫れ上がっていた。 ラケットはコートに転がっている。 「…おい、何があった?」 応援席の後輩に声を掛けた。 みな、心配そうな表情をしている。
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