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司も相手もガンガン打って、前に出てボレーをして。
五分五分の戦いだった。
オレは自分のアップもしながら、司の試合を観戦する。
観客席には、司のご両親も、オレの両親も居た。
頑張れ…司…。
セットカウント1-0。3-2司がリードしていて、迎えた司のサービスゲーム。
ここで、まさかの展開が、起こってしまった。
だが、オレは走りに行っていてその瞬間を見ることはなかったのだが、会場がなんだかざわめいていると感じ帰って来たとき、司が肘を抑えていた。
その肘は遠くから見ても分かるくらい赤く腫れ上がっていた。
ラケットはコートに転がっている。
「…おい、何があった?」
応援席の後輩に声を掛けた。
みな、心配そうな表情をしている。
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