第一話 五月:白雪姫?

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「今日は遠征でしょ?T中学校との合同練習だよ」 「ぬっ!マジか…」  その学校名を聞いた柏崎君は少し残念そうにしていた。 「でも、舞が居るなら乗り越えられる気がするよ!」 「ばっ…バカっ!なにゆってるの?」  私は顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。たびたびこういうところがあるのが恥ずかしい所って言うか…。 「どうした?俺なんか言ったっけ?」  自覚してないの? 「それより舞」 「なに?」 「前にいる先輩が凄く見てくるんだけど」  私は柏崎君が指差す先に視線を送ると、そこには先輩たちがニヤニヤしながらこっちを見ていた。 「ひゃ!」  私は先輩たちの所へ走り出し、いつものように事情を説明する。これで何回目だろうか…。  その後平然と歩いてくる柏崎君はこういう。 「どうしたの?なんか急いで走ってたけど…」 「い、いや…なんでもないよ…」  私は息を上げながらそう答える。 「おっはよ~柏崎君!」 「おはようございます、先輩」 「相変わらずラブラブだね」 「いやいや、そんな事無いですよ」  そんな事無いんか~い!なんて突っ込みたくなってしまう勢いだった。 「それより今日の練習試合、期待してるからね!」 「はいっ!頑張ります」  こういう柏崎君…なんか可愛い…。     
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