マンションの六階

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最初の内は、悪い気はしなかったし、むしろ”俺に気があるのか?”なんて浮かれていた。 だが、それが毎日続くと徐々に気味が悪く思えてきた。 窓の外を眺める度に、彼女がこちらを見て微笑んで手を振っている。 俺が見ていない時も、ずっと俺の方を見ているのではないかと。 彼女に見張られているのではないかと。 疑心暗鬼の中で、俺は同僚に六階に”白い服の髪の長い女”がこちらを見ているかどうかを聞いた。 すると、『あー、いるよ。何、お前の彼女?』と言われ、俺はゾッとし、同時に苛立ちも覚えた。 俺は彼女に直接会って、こちらを見ないように注意しようと思った。
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