六.死生命有り、富貴天に在り(弐)

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 天に強く願った時だった。  向こうでティエンとカグムの、凄まじい言い争いが聞こえた。驚くことに、両者は剣を交えているではないか。  あれほど、ユンジェの仇を取ろうとしていた彼が、カグムを捉えた途端、標的を変えた。  一体どうなっているのだ。味方ではないのか。ジセンは唖然としてしまった。 「しっ……しまった」  ハオが止血の手を進めながら、顔を引き攣らせる。 「カグムを行かせたら余計、状況が悪化するに決まってるじゃねえか。ったく、どいつもこいつも、すこぶるメンドくせぇ! 臨機応変に状況を見ろよ!」  その間にもティエンとカグムの言い争いは続き、賊から目を放してしまう。  それを見逃す輩達ではない。賊の一人はカグムの背を狙い、リオを担ぐ賊はティエンの頭目掛けて斬りかかる。  各々それを回避すると、リオを担ぐ賊が動いた。 「小娘、邪魔だ」  ついに暴れるリオがお荷物になったのだろう。  その身を投げ、苛立ちと共に柳葉刀で彼女を斬る。寸前でティエンが体を受け止め、二人の体は仲良く地面へ転がった。柳葉刀は二人の後を追い、振り上げられる。 「リオっ、ティエン!」  ジセンの叫びが合図であった。     
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