第29話 信じてる!!

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「「「ハイッ!ハイッ!ハイッ!」」」 盛り上がる観客席!そのコールに乗りキリコが走る!! エリカやシンの陰に隠れ怪力だけがクローズアップされがちなキリコだが彼女も相当足が早い。 一迅の風となり尻餅をついたエリカに真っ直ぐに ただ真っ直ぐに突撃する! 「喰らえっ!!」 ドッシャーーーーン!!!! 肉と肉 骨と骨 肉と金属が激突する3つの音が混じりあった衝撃音!! キリコは場外で自らの得意技 背中から飛び込むキャノンボールを発動!! まともに喰らったエリカは完全にグロッキー 意識が遠のき電池の切れた人形の様にぐったりとしている。 「よっしゃ!!」 確かな手応えを感じガッツポーズのキリコ!完全にペースは貰った。 「11 12 13 14 」 気がつけばレフリー レオポンの場外カウントが進んでいる。こんな楽しい試合のリングアウトで終わらせる訳にはいかない。 「立てよエリカー!!」 未だ立ち上がらぬエリカを捕まえリングに放り込む! 再び戦場をリング上に戻し相対する二人。 ここでようやくエリカが立ち上がる。 しかし足元がおぼつかない。 「はぁ...はぁ...はぁ...まだまだ...まだまだだぞキリコー!!」 不甲斐ない自分を奮い立たせる。精一杯の虚勢であったがキリコを挑発する! 「言われなくてもぉ...行くぞーエリカ!」 叫びと共にキリコの上半身が緩み捻れる!! 「シッ!!!」 バチッ!!!! 肉の切り裂かれる音が響く。 「ぐう~...なんてチョップ...」 胸に広がる鋭い痛みに苦悶の顔を見せるエリカ! ボゴッ!! その苦悶の表情が更に歪む!! 「赤嶺得意のエルボーと逆水平!!龍造寺を追い込む!!!」 バチッ! ドゴッ! ビシッ!!ガギッ! 胸元と顎が削り取られる様な痛みが立て続けに炸裂しコーナーに追い詰められる。 「フンッ!」 ダメ押しの逆水平でコーナーに貼り付けにするとすかさず対角線コーナーに走るキリコ! 「はぁぁぁぁ...」 「エリカー!!!!」 大見得をきり好敵手の名を叫びながら突撃!! ドムッ!!! 喉元を貫く極太の腕!あまりの衝撃に上半身が仰け反る。そんなラリアット!! 「強烈ー!!!赤嶺のラリアットが龍造寺を撃ち抜く!!ややっ!赤嶺もう一発いくかぁ?」 再びコーナーに舞い戻り息を大きく吸いエリカに襲いかかる!
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