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勢いよく、事務所の扉が開かれて、着替えを済ませた鉄平君が飛び込んで来た。
「悠真、ミツくん、紹介するね!
先輩です!」
鉄平君の後ろから、長身の青年が顔を覗かせた。
少しタレ目気味の甘い顔立ちで、愛しそうに鉄平君を見ている。
「こんにちは、今日はお世話になります。
河野です。よろしくお願いします。」
「はじめまして、小池です。
あ、悠真でいいですから!」
「三井です。よろしくお願いします。」
鉄平君は、河野君の袖を引っ張り、「ね、ミツくん、凄いカッコいいでしょ!」と、嬉しそうに話している。
目の前で別の男を誉めていても、ニコニコと鉄平君を見つめ、「可愛いのは鉄平だね。」と、繰り広げられる二人の世界に呆れつつも、ほのぼのとした気持ちになる。
「そういえば、薫さんは?見かけてないけど。」
「厨房で、手伝ってると思うよ。
彬君はパーティ参加するし、途中で抜けちゃうから、
薫が圭さんの手伝いするんだって、張り切ってる。」
噂をすれば…
「そろそろ皆集まれるかな?
フロアに集合ね!」
ん?何か違う…
そう思うのだが、何だろうか…
戻っていく薫さんの後ろ姿を見て、「あっ!」思わず叫んでいた。
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