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有能な生徒会会計係
そんな普通で平凡な彼女でも、生徒会長。
彼女に憧れ、彼女を尊敬する人間も少なくはなかった。
「会長!今朝はお疲れ様でした。」
「あぁ、うん、ありがとう」
「素晴らしい挨拶でした。」
そしてその最たる例が生徒会役員会計係
君塚 誠
彼は彼女とは反対に秀才と形容される人物だった。
その優秀さから教師からも生徒会役員入りを熱望され、今は2年生ながら会計を任されている。
「文化祭…成功するといいですね、イベントも」
「…うん、折角再開させるんだから成功させたいね。」
彼女がなによりも力を注いできた文化祭イベント、“ラストステージ”
教員を説得の上、文化祭一週間前にようやく開催の承諾を得たのだ。
「会長の為に、俺達も頑張りますよ」
「私のためじゃなくて、生徒のために、ね。」
「俺は、会長の為です。」
どうして?
とは、聞けない。
毎度毎度似たような会話をしては彼女は苦笑して終わらせる。
彼女には、その先の答えをどうしても聞くわけにはいかない理由があったのだ。
夏の気だるい空気と共に、騒がしい声が外から流れ込む。
会長になったあの日に掲げた公約、それを果たす瞬間がきた。
その通り全力を尽くした。
だけど彼女は時折悲しい目をする。
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