2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
冥界の住人のお友達
「君だぁれ?」
今僕の目の前には見知らぬ女の子がいる。
肩で切り揃えられた綺麗な黒髪は、その子にとても似合っていた。
「えっと……高月波。ここどこ? ……あなた誰?」
ナミと名乗った彼女は、淡いオレンジ色の空間をキョロキョロと見渡している。この空間には何もないけれど。
あ、僕もこの子の質問に答えないとね。
「僕はエリエス。ここは生きたくても生きれなかった人たちの来る場所…… かな。ねぇ、それ何を持ってるの?」
僕はナミが右手に持っていた物を指差して聞く。
それは黒くて薄い、長方形の物だった。
「……これはスマホ」
ナミは手にしていたものを見せてくれた。
「わ! なんかついた!」
「ごめん。ボタン押しちゃった。というかスマホを知らないの?」
「知らない」
僕はスマホを眺めたまま首を振る。
「そう。……ねぇ、私死んだのよね?」
ナミは少し悲しそうに聞いてきた。
最初のコメントを投稿しよう!