冥界の住人のお友達

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冥界の住人のお友達

「君だぁれ?」 今僕の目の前には見知らぬ女の子がいる。 肩で切り揃えられた綺麗な黒髪は、その子にとても似合っていた。 「えっと……高月(たかつき)(なみ)。ここどこ? ……あなた誰?」 ナミと名乗った彼女は、淡いオレンジ色の空間をキョロキョロと見渡している。この空間には何もないけれど。 あ、僕もこの子の質問に答えないとね。 「僕はエリエス。ここは生きたくても生きれなかった人たちの来る場所…… かな。ねぇ、それ何を持ってるの?」 僕はナミが右手に持っていた物を指差して聞く。 それは黒くて薄い、長方形の物だった。 「……これはスマホ」 ナミは手にしていたものを見せてくれた。 「わ! なんかついた!」 「ごめん。ボタン押しちゃった。というかスマホを知らないの?」 「知らない」 僕はスマホを眺めたまま首を振る。 「そう。……ねぇ、私死んだのよね?」 ナミは少し悲しそうに聞いてきた。
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