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パンチはかわした。
一発目は身を捻って避け、二発目は腕で受け、空いたどてっ腹に拳をたたき込む。
腹に潜り込んで、足を取ってバランスを崩した。
図体がデカいだけに、敵はいきおいこんで床にひっくり返る。
龍一は身軽に体勢を立て直し、倒れた敵に馬乗りになると、そこで初めて銃を取り出した。
敵の頭頂部に銃を突きつけ、顔をあげれば、
「……」
ベッドの中で身を起こしている、ひとりの男と目が合う。
「!」
龍一は筒先を見ることなく、またがっていた敵の頭を撃つ。
騒ぎを聞き駆けつけた敵も、ドアを開けたとたん、針の穴を通す射撃で撃ち殺した。
その間、龍一は、やっと会えた草壁隆也だけを睨み据えていた。
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