なりすまし

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なりすまし

「今日は、彼ピッピと前から見たかった映画を見てきた。チョー面白かったよ。」 ミズキは自分のSNSのアカウントを開いて呆然としていた。  こんな書き込み、したことない。 だいいち、今日は映画をすっぽかされて家に居たのだ。 ご丁寧にも、映画のパンフレットの画像がアップされていた。  ミズキは最近、フェイスノートというSNSに登録した。友人もほとんどやってるし、勧められて登録したのだ。パスワードは私しか知らないはずだ。もしかして、なりすまし?ミズキはすぐに、運営に報告した。ところが、運営からの返信には、確かにミズキのパソコンのアドレスからの書き込みだと書いてあったのだ。  そんなバカな。パソコンだって、パスワードを入れなければ開くことすらできないはずだ。できるとすれば、彼が私のパソコンのパスワードを解かなければあり得ない。パスワードは、自分の誕生日などの安易なものではなく、私にしか分からない情報なのだ。初恋の相手の誕生日だから、誰にもわかるはずはない。もしかしたら、クラッキングされた?でも、一般人のしかも、普通の女子大生のパソコンなんて入り込んでも何の得も無いのに。     
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