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文化祭を見にきなさいと、起き抜けに云われて、悠土(ゆうと)は即答した。厭(いや)だね。
厭でも来なさい。
悠土が生まれてこの方、姉の命令口調は変わらない。
行かないよ。同じ学校の奴らが来るかも識れないし。
悠土の無意味な抵抗に、未希子(みきこ)は眉を吊り上げた。
来る訳ないでしょう。あなたは中学生で、私は高校生。そして今日は平日です。まともな中学生は、学校に行ってるでしょう。来るのは生徒の保護者くらいよ。安心して来なさいよ。気晴らしになるから。
いつものように強引に従わされ、悠土は仕方無く母親と一緒に姉の高校の文化祭に行くことになった。
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