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やがて車は急カーブを切り
人気のない竹林の入り口まで来ると止まった。
「こんなとこで、何……?」
「こっちは命を懸けるんだ。ちゃっちゃと終わらされてたまるか」
「どうする気……?」
「普段抑え込まれてるせいか――薬が切れた時のこいつは厄介でね。ちょっとやちょっとの刺激じゃ満足しないのさ」
薄井はエンジンを切ると不敵に笑った。
「どうすれば……」
「ドキドキさせろよ」
「ンッ……」
不意のキスに
強い風が吹きぬけ竹林全体がざわめくように撓る。
「裸になれ――竹藪でシックスナインだ。それから後ろを犯す」
「なっ……!」
「できないなら話はなかったことにしてこのまま帰ろう」
得体の知れない男のありえない無茶ぶりに
それでも被虐症の僕の胸は怖いぐらい高鳴り。
「……できるよ」
最後にはやっぱり自ずから胸のリボンタイを解いていた。
「決まりだ。今日から俺はあんたの専属秘書だ――して欲しいことがあったら何でも言いな」
こうして文字通り身を粉にし
僕は征司お兄様の犬を手懐けることに成功した。
だけどこの後どうなったかって?
それはまた別の日に話すよ。
「吸えよ……もっと……奥までっ……」
話せる口がある時に――。
【おまえの首に口づけしたよ9】 END
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