episode225

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やがて車は急カーブを切り 人気のない竹林の入り口まで来ると止まった。 「こんなとこで、何……?」 「こっちは命を懸けるんだ。ちゃっちゃと終わらされてたまるか」 「どうする気……?」 「普段抑え込まれてるせいか――薬が切れた時のこいつは厄介でね。ちょっとやちょっとの刺激じゃ満足しないのさ」 薄井はエンジンを切ると不敵に笑った。 「どうすれば……」 「ドキドキさせろよ」 「ンッ……」 不意のキスに 強い風が吹きぬけ竹林全体がざわめくように撓る。 「裸になれ――竹藪でシックスナインだ。それから後ろを犯す」 「なっ……!」 「できないなら話はなかったことにしてこのまま帰ろう」 得体の知れない男のありえない無茶ぶりに それでも被虐症の僕の胸は怖いぐらい高鳴り。 「……できるよ」 最後にはやっぱり自ずから胸のリボンタイを解いていた。 「決まりだ。今日から俺はあんたの専属秘書だ――して欲しいことがあったら何でも言いな」 こうして文字通り身を粉にし 僕は征司お兄様の犬を手懐けることに成功した。 だけどこの後どうなったかって? それはまた別の日に話すよ。 「吸えよ……もっと……奥までっ……」 話せる口がある時に――。 【おまえの首に口づけしたよ9】 END
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