とある学園にやって来た。

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 どういうわけかその二種しか通じないらしい。  ネットは繋がるらしいのだが、あまり外部と頻繁に連絡は取れないようだ。  やはり良家の子息が来るような男子校だから仕方がないだろう。  さて、こんな風に女の子のよさを感じるようなものや連絡手段が僕にはある。  そう、ここまで揃っているのだから、噂話に聞く男子校の“あやしい校風”に染まる事なんて無い。  ちょっと背が小さかったり、顔が年齢よりも幼く見えて可愛いとか色々言われる僕だけれど大丈夫! 「うん、不安なんて何もない。ないったら、ない」  僕は繰り返し、口に出す。  口に出して繰り返したのは僕の不安の表れだけれど、多分きっと大丈夫。  因みに僕の寮は相部屋らしく、広めの部屋なので四人で暮らすらしい。 「いい人達だと良いな。友達が増えると良いな~、何だか修学旅行みたいだよね」  そこだけは、僕は素直に楽しみだった。  こっそりゲーム機を持って行って楽しんだ修学旅行。  皆でワイワイやったのは楽しかったと思う。  そんな風に楽しめると良いなと僕はぽやんと思って、そんな僕の顔に傍から飛んできたらしい緑色の葉っぱが当たった。  何となく、運がついていない気がした。   けれど僕は、何時までもバス停に立っていても仕方がないと思って歩き出す。  突然の編入であったため、制服はまだ来ていない。  なのでジーンズにTシャツという格好で来てしまったのだが。 「確かお金持ちの令息が通う学園って聞いていたけれど、こんな格好で良かったのかな?」  もう少し違う格好の方が良かったかなと思って、それだったら前の高校の制服を着てきた方が良かったのかもしれない。  そんな風に悩みながら歩いていくと、やがて黒い金属性の柵が見えてくる。  ぐるぐると渦を巻いたり花をかたどった金属性の柵で、上の方がとがっている。  その柵越しに、風にざわめく木々の葉の隙間から白い建物が見える。  そことなく洋風な作りにその建物だがまだここからではよく見えない。そうして更に歩くこと十分。
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