とある学園にやって来た。

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 人里離れた山奥にある、寮完備の男子校に僕は転入する事になった。  親が海外に転勤になり、叔父さんとその学園の学園長が仲良し? らしくて、両親と叔父さんが僕一人を残すのもという話し合いの結果、僕はこんな季節外れの6月にその高校に編入になってしまったのだ。  けれど普段は数分おきに来るバスという環境にいた僕は、現在は一時間に一本すらないバスに揺られてやってきた時点ですでに後悔していた。 「うう、何でこんな森の中で、しかも男だらけの男子校……女の子」  男女共学で、彼女がいた事はないけれど女の子のお友達もいた僕。  性的嗜好も異性が大好きという、ごく普通の平凡な男子高校生だった僕が男子校なんかにと思わざるおえない。  周りは男ばかり。何が楽しくてそんな場所に行かねばならないのか。  しかも男子校というと、男子校特有の“怪しい校風”なるものがあるらしいと噂を聞く。  つまり男同士で仲が良くなってしまうらしい。  噂は噂だと思っているけれど女の子の大好きな僕はなじめる自信が全くなかった。仕方がないのでその絶望感を癒すべく、女の子の一杯出てくるライトノベルや漫画を大量に持ってきた。   どちらかというと、僕の女の子の好み は、裸を見られたから嫁に来るような恥じらいのある清楚な女の子が好みだったりするのは置いておいて。いざとなれば、ネットで注文するし、それに携帯ゲーム機もあるし、中学時代からの友達とも電話をかければすぐに繋がるし、Line等で簡単に連絡が取れ……。 「あ、そういえばここ電話とメールしか通じなんだっけ」
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