史上最低な幕開け

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史上最低な幕開け

その日は朝からツイてなかった。 アラームをいつの間にか止めてて、目が覚めたら家を出る30分前で。 急いで着替えたら、下ろし立てのパンスト2枚も破って無駄にして。 そんなこんなで、朝ごはんは食べられず。 それでも何とかいつもの時間に家を出て電車に乗ったら、真後ろのおじさんの息がクサくて死にそうで。 あぁもう朝から何なんだ!っていう。 そんなツイてない1日の始まりだけど その分も明日は良い日になる。 そう思って、気持ちを切り替えた。 明日は、私 栗原未那(くりはら みな)の28回目の誕生日であり、彼氏の正野透(まさの とおる)と付き合って2年目となる、とても大切な日だ。 明日は土曜日。 この土曜日ばかりは、営業で多忙な透も仕事の予定を入れないでくれた。 ただ、今日は透にどうしても抜けられない夜接待があって、日付が変わる時に一緒にお祝い出来るか怪しい。 でも透は、「一番に直接おめでとうが言いたいから、何時になっても未那の家に行く」と言ってくれた。 そして、明日はずっと一緒に過ごそうって約束をしていた。 明日という日は 透と一緒に幸せを感じる それはそれはステキな日になる ……はずだった。 あの電話がかかって来るまでは。
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