第1話『脱出教室』

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第1話『脱出教室』

第1話『脱出教室』 「ここは・・・どこだ・・・」 僕は目を覚ました。 さっきまでなにをしていたんだったかな。 と、思い出す。 最後の記憶は思い出せない。 「教室だよ?」 と女の子の声がした。 僕の『ここはどこだ?』という質問に律儀に答えてくれたらしい。 「ん?教室?」 と、目をこする。 確かに教室だ。 でもなにかが変だ。 そう思っていると、声の主が顔を近づけて来た。 「起きた?コウくん。」 そう僕の名前はコウ。高校二年生だ。 この学校も間違いなく僕が通っている高校だった。 彼女の事ももちろん知っている。 「如月さん?」 「うん、そうだよ!」 と、僕の呼びかけに、笑顔を見せる如月さん。 彼女は僕のクラスの委員長。如月さんだ。 「あかなーい!!」 委員長とやり取りをしていると別のところから、大声が聞こえてくる。 彼女は陸上部の沢谷さんだ。 「え?何が?」と僕は聞いてしまった。 「ドアがあかないのよ!あなたも起きたなら手伝いなさいよ!力仕事は男子の仕事でしょ!」 力仕事?男子?いろいろ気になるところはあったが彼女の言うとおり、僕も教室のドアを開けることを手伝う。 もちろんこのクラスのドアは横にスライドさせるタイプのものだ。 「あ、開かない!」     
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