第1話 僕は右腕

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第1話 僕は右腕

第1話 僕は右腕 僕は右腕。 参謀的な意味の右腕ではなくて、ほんとに右腕だ。 誰の右腕かって? それは彼女、アイリスだ。 彼女はいわゆる美少女。活発に動き回る運動美少女だ。 「ちょっと、なにぼんやりしてんのよ!!」 アイリスは僕に言った。 彼女は走りながらそう言った。 右腕の僕に話しかけながら、走り続けている。 「ちゃんと働いてもらわないと困るんだからね!」 そう、僕達は仕事中。 とある機関に潜入している。 僕達の仕事は、依頼されたものを取る仕事。 つまり泥棒だ。 泥棒にもいろいろあるだろう。 自分たちの生活費のために人の財布をとっちゃうとか、人のお家に忍び込んでしまうとか。 我々はちょっと違う。 国に対するテロ行為を働くものから、危険なものをとっちゃう泥棒だ。 政府に頼まれた特定のテロ組織から、危険なものを盗む。 そのために特殊な加工を施されている。 つまり我々は政府直属の特殊戦闘員。 「ほら、追手が来たわよ!」 アイリスが僕をコンコンと左腕で叩いて伝える。 しっかりと、その刺激は僕に伝わる。 僕は痛覚をコントロールできる。 今はノーマルモードだ。 痛みも刺激も熱もすべて通常レベルで感知できる。 「うん」 僕は答える。 僕は右腕。     
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